Sonos、CEOにトム・コンラッド氏を正式任命 アプリ問題収束へ新体制

音響機器メーカーSonosは本日、暫定最高経営責任者（CEO）を務めていたトム・コンラッド氏を正式なCEOに任命したと発表しました。これにより、今年1月に退任したパトリック・スペンス前CEOの後任が決定しました。

スペンス氏は約8年間SonosのCEOを務めましたが、昨年実施された同社アプリの大規模な再設計が顧客から不評を買っていました。機能不足やパフォーマンスの低さが指摘されたこのアプリ問題は、新製品の発売延期や約100人の従業員解雇につながるなど、Sonosの経営に大きな影響を与えていました。

新CEOに就任したコンラッド氏は、音楽サービスPandoraの共同創設者として知られ、SnapやQuibiでもプロダクト部門の要職を歴任。Sonosの取締役も務めていました。暫定CEOとしてこの半年間、彼は問題のアプリ改善を主導し、新型ヘッドホン「Sonos Ace」やサウンドバー「Sonos Arc Ultra」といった主要製品の発売を実現するなど、Sonosの立て直しに貢献した実績が評価され、今回の正式就任に至りました。

Sonos取締役会のジュリアス・ジェナチョウスキー会長は、「包括的かつ競争的な選考の結果、コンラッド氏がSonosを次の章へ導くのに最適な人物であると確信している」と述べ、そのリーダーシップと実績を高く評価しました。

コンラッド氏は、「再建のフェーズから、次世代の体験を創造するフェーズへと移行することに期待している」とコメント。AIなどの技術進化を取り入れながら、顧客体験の向上と新たな成長戦略を推進していく意欲を示しています。