Appleエコシステムの魅力の一つは、デバイス間の高い相互運用性です。その基盤となっているのがAppleのクラウドサービス「iCloud」。無料の5GBストレージはすぐにいっぱいになりがちですが、月額99円からの有料プラン「iCloud+」には、単なるストレージ増量にとどまらない、知られざる便利な機能が数多く含まれています。これらの機能を活用することで、あなたのデジタルライフはさらに快適になるでしょう。

 # 「メールを非公開」でプライバシー保護

オンラインサービス登録時にメールアドレスを提供することに抵抗を感じることはありませんか？ iCloud+の「メールを非公開」機能を使えば、実際のメールアドレスを明かすことなく、匿名の一時的なメールアドレスを生成できます。このアドレスに送られたメールはあなたの本当のiCloudアドレスに転送されるため、プライバシーを守りながらサービスを利用でき、スパム対策にも有効です。

 # 「ファミリーパスワード」で家族と情報を共有

家族間でApple TV+などのサブスクリプションサービスのパスワードを共有するのは意外と手間がかかるものです。iCloudファミリープランに加入していれば、iOS 17、iPadOS 17、macOS Sonoma以降を搭載したデバイスで「ファミリーパスワード」を設定できます。これにより、特定のログイン情報を安全に共有することが可能になり、家族間の情報共有が格段にスムーズになります。

 # ストレージを賢く管理し、容量を節約

有料のiCloudストレージも無尽蔵ではありません。効率的に利用するためには、定期的な管理が重要です。不要になった古いデバイスのバックアップを削除したり、iCloud写真に保存されている重複した写真や不要な動画、スクリーンショットなどを整理したりすることで、意外と多くの空き容量を確保できます。使っていないアプリがiCloudに保存しているデータを削除するのも効果的です。

 # PCからでもiCloudデータにアクセス

Appleデバイスが手元にない状況でも、iCloudに保存されたデータにアクセスしたい場合があります。そんな時は、PCのWebブラウザからiCloud.comにアクセスし、Apple IDでログインすれば、カレンダー、連絡先、メール、メモ、リマインダー、iWorkスイート（Pages、Numbers、Keynote）などのウェブ版アプリを利用できます。これらのアプリで行った変更はリアルタイムで同期されるため、場所を選ばずに作業を継続できます。

 # 「高度なデータ保護」でセキュリティを強化

より高いプライバシー保護を求めるユーザーには、「高度なデータ保護」機能がおすすめです。これを有効にすると、iCloudに保存されているデータの一部（メッセージのバックアップ、写真、リマインダー、Safariブックマークなど）がエンドツーエンドで暗号化されます。これにより、Appleでさえあなたのデータの内容を読み取ることができなくなり、プライバシーがさらに強固に保護されます。ただし、この機能を有効にするには、アカウント復旧方法（復旧連絡先や復旧キー）の設定が必須となります。

これらの主要機能の他にも、iCloud+には、iPhone、iPad、Macのバックアップ機能、Safariブックマークの共有、Webブラウジング時のプライバシーを保護する「プライベートリレー」、独自のドメインでメールを利用できる「カスタムメールドメイン」など、あなたのデジタルライフを豊かにする多様な機能が搭載されています。せっかく有料プランを利用しているのであれば、ぜひこれらの機能を最大限に活用し、その恩恵を享受してみてはいかがでしょうか。