Apple、低価格MacBook投入か 新規ユーザー層開拓へ

Appleが低価格帯の新型MacBookの開発を進めていると報じられています。予算重視の市場でWindowsノートPCとの競争激化が予想され、新たなユーザー層の獲得を目指す動きとなります。

 # 2025年後半に生産開始か、名称は「A18 Pro MacBook」の可能性

著名アナリストのミンチー・クオ氏によると、新型MacBookは2025年第4四半期末から2026年第1四半期初にかけて生産が開始される見込みで、早ければ2025年のホリデーシーズン商戦に投入される可能性も示唆されています。

この新モデルの正式名称はまだ不明ですが、搭載されるとみられる「A18 Pro」チップにちなんで「A18 Pro MacBook」と呼ばれています。かつて販売されていた12インチMacBookのように、単に「MacBook」という名称が復活する可能性も指摘されています。最近発見されたApple Intelligenceのコード内の未確認識別子「Mac17,1」も、この新モデルを指すものと推測されています。

 # シンプルなデザインとコスト効率を重視

デザイン面では、かつての12インチMacBookと同様のシンプルな形状が予想されています。現行のMacBook Airよりも薄く、軽くなる可能性があり、ラインナップ内での差別化が図られるかもしれません。

本体素材については、コスト削減のためプラスチック製も考えられますが、Appleが掲げるカーボンニュートラル目標との整合性を踏まえると、アルミニウムやリサイクル可能な素材が採用される可能性が高いとみられます。ディスプレイは、コストを抑えるために現行のLiquid Retinaから、Retinaディスプレイに戻るか、より小型化される可能性が指摘されています。

機能面では、コストを抑えるため、ポート数が限定される可能性があります。12インチMacBookのようにUSB-Cポートが1つのみとなる可能性があり、充電用にMagSafeポートが追加されるかもしれません。また、内蔵カメラを搭載せず、iPhoneの「Continuity Camera」機能やmacOS TahoeのMagnifierアプリなどを代替として推奨することも考えられます。

Apple製のWi-Fi/Bluetoothチップや、セルラー接続に対応するモデムが搭載される可能性も浮上しています。

 # iPhone向け「A18 Pro」チップを搭載、M1並みの性能か

プロセッサーには、iPhone 16 Proに搭載されるとみられる「A18 Pro」チップが採用される可能性が高いと報じられています。AシリーズチップはMシリーズチップに比べて処理能力は劣りますが、ベンチマークテストではM3チップに匹敵するシングルコア性能を示し、M1 MacBook Airと同等レベルの総合性能を発揮すると予想されています。これは日常的な作業には十分な処理能力であり、多くのユーザーのニーズを満たすと考えられます。

RAMはApple Intelligenceの最低要件である8GB以上が搭載され、16GBのオプションも検討されるかもしれません。ストレージは他のMacBookモデルと同様に256GBからとなる可能性が高いです。

 # 価格は729ドル〜849ドルが有力か

Appleは年間MacBook販売台数を500万台増やす目標を掲げており、これを達成するためには大幅な低価格化が不可欠とみられます。現在最も安価なMacBook Airの999ドルよりも大幅に安い価格設定が予想されており、729ドルから849ドル（日本円で約11万円から13万円台）の価格帯が有力視されています。

市場で600ドル台で販売されているM1 MacBook Airの代替となる可能性も示唆されていますが、そこまで安価になるとは考えにくいという見方もあります。この新型MacBookが、新たなユーザー層の獲得と販売台数増加にどれほど貢献するのか、今後の動向が注目されます。