アップル、インドスマホ市場で6位に iPhone 16は好調も「16e」が苦戦

市場調査会社Canalysの新たなデータによると、アップルは今年第2四半期にインドのスマートフォン市場で6位に位置しました。同国の市場全体は、前年同期比7%増の3900万台と回復基調にあります。

アップルの業績を牽引したのはiPhone 16シリーズで、同四半期の出荷台数の55%以上を占めました。これは、消費者が最新のフラッグシップモデルへの買い替えに意欲的であることを示唆しています。また、iPhone 15やiPhone 13といった旧モデルも、引き続き低価格帯で需要を集めました。

しかし、今年2月に発売されたエントリーモデル「iPhone 16e」は、市場での浸透に苦戦している模様です。Canalysのアナリストは、シングルカメラ設計や、アップルが約束した「Apple Intelligence」の機能が十分に提供されていない点が、インドの消費者から疑問視され、デバイスの魅力度を損ねたと分析しています。

インド市場では、サムスンと中国ブランドが引き続き支配的な地位を占めています。アップルの主な競合であるvivoは市場シェア21%を獲得し、前年比31%と大幅な成長を遂げました。続いてサムスンが16%、OPPOとXiaomiがそれぞれ13%で同率3位、realmeが9%でトップ5に入っています。

Canalysは、2025年通年の市場については緩やかな減少を予測しており、インドの祝祭シーズン前の買い替え意欲の低迷がその主な要因と見ています。アップルは昨年、ムンバイとニューデリーに店舗を開設するなど、インドでの小売事業拡大に注力しており、今回の複雑な販売実績は今後の戦略に影響を与える可能性があります。

一方で、アップルはサプライチェーンの多様化と中国への依存度低減のため、インドからの輸出を拡大し続けています。インドでのiPhone製造の増加は同国の輸出経済に大きく貢献しており、スマートフォンは現在、インドから米国への最大の輸出品目となっています。