メジャーリーグ（MLB）の「サンデーナイト・ベースボール」における2026年から2028年シーズンの放映権を巡り、Apple、NBC、ESPNの3社がそれぞれ入札を行ったことが明らかになりました。MLBのロブ・マンフレッドコミッショナーがCNBCのインタビューで明らかにしたもので、同氏は今後1ヶ月以内に落札者を決定する方針を示しています。権利は最大2社に分割される可能性も示唆されています。
この放映権争奪戦の背景には、これまで2028年シーズンまで「サンデーナイト・ベースボール」の放映権を保有していたESPNが、今年に入りMLBとの間で5億5000万ドルの契約を相互合意により前倒しで解消した経緯があります。これにより、2026年から2028年までの3シーズン分の権利が空き、各社が獲得に名乗りを上げています。
現在Apple TV+でMLBの「フライデーナイト・ベースボール」を配信しているAppleは、今回の入札でスポーツコンテンツへの注力をさらに加速させる構えです。もし今回の権利獲得に成功すれば、日曜日の試合もApple TV+で視聴可能となります。
また、2028年シーズン以降に予定されている、MLBの全国放映権および地域放映権を統合した大規模なパッケージについても、Appleは強い関心を示すとみられています。これは、同社がMLS（メジャーリーグサッカー）で提供している「MLS Season Pass」のような、包括的なサービス展開をMLBでも目指すものと予想されます。しかし、MLBの規模はMLSをはるかに上回るため、同様のモデルがMLBで実現するかどうかは不透明な点も残されています。
Appleは近年、スポーツコンテンツへの投資を積極的に進めており、F1レースの放映権も獲得する可能性が報じられています。過去にはNFLの「サンデーチケット」や2025年FIFAクラブワールドカップの放映権獲得を目指しましたが、いずれも不成功に終わっています。今回のMLB「サンデーナイト・ベースボール」の権利獲得は、Appleのスポーツ戦略における重要な試金石となるでしょう。
