AirPods、米国市場で成長停滞か 新型Pro 3で巻き返しに期待

米国におけるAppleのAirPods市場が、成長鈍化の兆候を見せていることが新たな調査報告で明らかになりました。しかし、今年後半に登場が噂される「AirPods Pro 3」が、この状況を打開し、販売を促進する鍵となる可能性が指摘されています。

消費者情報調査会社CIRPの最新レポートによると、米国のiPhoneユーザーの約44%がBluetoothイヤホンを所有しており、そのうち59%がAirPodsを使用しています。これは前年からの微増に留まり、2023年の水準にほぼ戻った形です。結果として、全iPhoneユーザーの約26%がAirPodsを利用していることになります。

データは、AppleがBluetoothイヤホン市場で一定のシェアを維持していることを示唆するものの、過去のピークを超える顕著な成長は示していません。市場全体は緩やかに拡大していますが、Appleのシェアは横ばい状態にあります。現在、AirPodsはSamsung、Sony、Boseといった主要競合に加え、多様な低価格帯製品からの挑戦に直面しています。

直近では、2022年9月に発売された「AirPods Pro 2」が、Amazon Prime Dayで大幅な値引き（249ドルから149ドル）で販売されました。これは、新型発売前の在庫処分、あるいは一時的な価格戦略による販売促進が目的だったと見られています。

こうした状況の中、今年後半には「AirPods Pro 3」の発表が有力視されており、9月のiPhoneやApple Watch新モデルと同時期の登場も予想されます。新型は、ノイズキャンセリング機能の改善、音質の向上、デザイン変更に加え、心拍数モニタリング機能の搭載も期待されています。

CIRPは、この刷新が新規顧客の獲得だけでなく、バッテリーの劣化などで買い替えを検討している既存ユーザーの需要も喚起すると予測しています。iPhoneの買い替えサイクルが長期化する中で、AirPodsがAppleにとって動きの速い重要な製品ラインであり、新型の投入が販売促進の大きな機会となると指摘しています。