米国国際貿易委員会（ITC）が、中国のディスプレイメーカーBOEに対し、スマートフォン向けディスプレイの輸入禁止を勧告したことが明らかになりました。このディスプレイは一部のiPhoneにも搭載されています。今回の勧告は、サムスンディスプレイがBOEを企業秘密侵害で訴えていた訴訟における仮決定として下されたものです。

ITCの判断は、BOEがサムスンディスプレイの有機EL（OLED）スクリーン製造に関する企業秘密を侵害したとするサムスン側の主張を支持する形となりました。具体的には、BOEが「企業秘密の不正使用」によってOLEDパネルを製造していたことが、「証拠の優越性によって証明された」と結論付けられています。

2023年には、サムスンディスプレイとBOEが互いに技術盗用を巡る複数の訴訟を提起しており、今回のITCへの提訴もその一環でした。現時点では仮決定であるものの、今後の動向が注目されます。