デザイナーのMarcin Wichary氏が、Macオペレーティングシステムの設定インターフェースのデザインに関する包括的な分析記事「Frame of preference」を公開し、注目を集めています。
この記事は、オリジナルのMacintosh System Software 1.0からMac OS X 10.3 Pantherに至るまでのMacのシステム設定デザインの進化を詳細に考察しています。Wichary氏は単なる解説に留まらず、Infinite MacのMihai Parparita氏と協力し、実際に操作できるエミュレーターを提供しているのが最大の特徴です。
例えば、オリジナルのMacに関するセクションでは、512K Macを模した環境でSystem Software 1.0のエミュレーターを体験できます。ユーザーはコントロールパネルを操作したり、MacPaintで40年前のMac発表時に画面を飾った芸者の肖像画のような絵を描いたりすることも可能です。
さらに、Macintosh Centris 650上でSystem 7を試したり、PowerBook G4 TitaniumでMac OS Xを体験したり、さらにはNeXT ComputerでNeXTStep 2.2を操作することもできます。これらのエミュレーターはInfinite Macで以前から提供されていましたが、「Frame of preference」では、オリジナルのMacintoshデザインに合わせた楽しく新しい形で提示されています。
Wichary氏の解説には、ソフトウェアデザインや美学に関する興味深い洞察が豊富に含まれており、エミュレーターを楽しみながら読むことが推奨されています。
OS X Panther以降のエミュレーターが提供されていないのは、Macのシステム設定における変更のペースが鈍化したため、Wichary氏の解説もその時点までとなっているためです。直近の大きな変更であるmacOS Venturaでの「システム設定」への移行は2022年に行われ、多くのユーザーがすでに体験済みであるため、エミュレーターは不要と判断されています。
