Apple、顧客サポート向けAIチャットボット開発か 長年のAI課題乗り越えられるか注目

長年にわたり人工知能（AI）分野での苦戦が指摘されてきたAppleが、顧客サポート向けにAIを活用したチャットボット「Support Assistant」の開発を進めている模様です。MacRumorsの寄稿者であるアーロン・ペリス氏がApple Supportアプリ内のコードから関連する記述を発見し、その詳細が明らかになりました。

「Support Assistant」は、顧客がAppleの従業員と直接対話する前に利用できる新たなチャット層として機能するとみられています。生成AIの技術を用いてユーザーの質問に回答し、問題が解決しない場合には、これまで通り人間オペレーターとのチャットへ移行できる仕組みです。

しかし、AppleのAI技術はこれまで、その開発の遅延や頻繁な誤作動、そして約束された機能の未達などが指摘されており、業界内では懸念の声も上がっています。実際、Apple社内でも、Support Assistantの基盤となる生成AIモデルが「不正確、誤解を招く、不完全、不快、あるいは有害な出力」を行う可能性があり、その情報が「専門家のアドバイスの代替ではない」とする警告を付記しているとのことです。

記事は、生成AIの誤動作が深刻な影響を及ぼさない分野（例えばカスタム絵文字の作成など）と異なり、顧客サポートのような分野では、誤ったアドバイスや不快な発言が「大惨事」につながる可能性があると警鐘を鳴らしています。AI医師といった他のAI活用案とともに、Appleがどのようにこれらのリスクに対処していくのか、今後の動向が注目されます。