中国BOE、2025年にApple MacBook向けディスプレイ最大手サプライヤーへ浮上
中国のディスプレイメーカーBOEが、2025年には米AppleのMacBook向けディスプレイパネルで最大の供給元となる見込みであることが、市場調査会社Omdiaの予測で明らかになりました。しかし、Appleが将来的にMacBook ProをOLEDモデルへ移行させる計画があるため、BOEの優位性は短期的なものとなる可能性も指摘されています。
Omdiaの報告によると、BOEは2025年にAppleのMacBook向けディスプレイパネル注文の51%を獲得し、前年の39%から大幅にシェアを伸ばす見通しです。これは、同社が初めてAppleのMacBookラインナップ全体でディスプレイパネルの半分以上を供給することになります。この躍進の主な要因は、Appleが13.6インチと15.3インチのMacBook Air向けLCDパネルの調達を拡大したことにあります。2025年、BOEは約1150万台のパネルをAppleに出荷すると予測されています。
一方、これまでAppleのMacBookディスプレイの主要サプライヤーであった韓国のLGディスプレイは、2025年にはシェア35%（約848万台）に減少する見込みです。これは前年比で出荷量が12.2%減、シェアが9ポイント減少となります。また、MacBook Pro向けにmini-LEDパネルを供給するシャープも、約310万台（シェア14%）の出荷にとどまり、前年比で20.8%の減少が予測されています。Omdiaは、MacBook Proモデルの需要が低迷していることが、LGディスプレイとシャープの供給量減少に影響を与え、Appleがより多くの注文をBOEに振り向けていると分析しています。
しかし、OmdiaはBOEの優位性が長く続くわけではないと指摘しています。Appleは2026年からMacBookにOLED（有機EL）技術の導入を開始する予定で、まずはMacBook Proモデルからになると見られています。OLEDは優れた表示性能と薄型・軽量化を可能にする技術であり、この市場移行に伴い、韓国のSamsung DisplayがAppleのMacBookサプライチェーンに参入する可能性が高いとされています。これにより、ディスプレイメーカー間の競争はさらに激化すると予想されます。
OLEDパネルの出荷が本格化するまでは、MacBook Airの堅調な売れ行きに支えられ、BOEはMacBookディスプレイのサプライチェーンにおける支配的な地位を維持すると見られています。BOEが前年比でシェアを12ポイント伸ばしたことは、韓国や日本の競合他社に対し明確なリードを築いたことを示しています。
