スマートウォッチのカロリー測定精度、Apple Watchがトップに – 最新テストで明らかに

Appleが2015年に初のスマートウォッチを発売した際、その用途は当初不明瞭でしたが、数年で健康とフィットネスのハブとしての地位を確立しました。歩数や運動時間などの活動量追跡機能は、今や他の多くのスマートウォッチも追随し、ユーザーの健康増進をサポートする主要機能となっています。

しかしこの度、フィットネスウォッチの主要アルゴリズムの一つである「消費カロリー量測定」の精度に疑問を投げかける報告が発表されました。MailOnlineの記者が科学的条件下で主要7社のデバイスを検証した結果、正確な値から10%以内に収まったのはわずか1機種でした。その中で最も高い精度を示したのは、Apple Watch Series 10でした。

 高精度なテスト環境で検証

この検証はロンドンの専門ラボで行われました。記者は基礎代謝量（BMR）や体脂肪率の測定、さらには心拍モニターと酸素マスクを装着して固定自転車でのVO2テスト（最大酸素摂取量測定）を受け、可能な限り正確な消費カロリー量を割り出しました。これにより得られたデータと、各フィットネスウォッチの測定値を比較しました。

 Apple Watchが唯一の「優良」評価

テストの結果、ほとんどのウェアラブルデバイスは実際の消費カロリー量を過小評価する傾向にあることが判明しました。各デバイスの正確な値に対する測定値の割合は以下の通りです。

* Decathlon CW500 S: 37%
* WHOOP 5.0: 66%
* Fitbit Charge 6: 72%
* Samsung Galaxy Watch Ultra LTE: 78%
* Oura Ring 4: 86%
*

 Apple Watch Series 10: 92%

この結果から、Apple Watch Series 10が唯一、正解値の90%以上をマークし、最も信頼性の高い測定値を提供していることが示されました。

 不正確さの背景と専門家の見解

なぜこれほど測定値に差が出るのでしょうか。MailOnlineによると、フィットネスウェアラブルが利用できるデータには限界があること、そして一部の計算式が「1世紀以上前の開発で、あまり正確ではない」ことが原因として挙げられています。

テストを行ったラボの責任者であるオーウェン・ハッチンズ氏は、「ウェアラブルはパーソナライズされたデータを提供すると考えられがちですが、残念ながら現実には、数多くのアルゴリズムを使ってユーザーを予測しているに過ぎず、測定しているわけではありません」と指摘しています。

 Appleからの推奨事項

Appleは、Apple Watchの距離、ペース、カロリー測定の精度を向上させるため、ユーザー自身でのキャリブレーションを推奨しています。ワークアウトアプリで「屋外ウォーキング」または「屋外ランニング」を選択し、通常のペースで約20分間歩くか走ることで、カロリー計算を含む活動量の測定精度が向上すると説明しています。