AppleがMetaの「Ray-Banスマートグラス」に対抗する新たなスマートグラスの開発を進めていると報じられています。しかし、その登場はまだ数年先になると見られています。

著名アナリストのミンチー・クオ氏の予測によると、Appleのスマートグラスは2027年第2四半期に量産が開始される見込みです。「Ray-Banスマートグラス」と同様に、写真や動画の撮影、音楽再生が可能で、タッチ操作とハンズフリーの音声コントロールに対応するとされます。これにより、スマートフォンを取り出すことなく、手軽に瞬間を捉えることを目的としています。

Appleは複数のフレームや素材のオプションを提供する計画ですが、Ray-BanやOakleyといった大手メガネブランドとの提携については言及されていません。なお、Metaのスマートグラスは、長年人気のWayfarerスタイルを含む3種類のRay-Banフレームで提供されています。

初代のAppleスマートグラスには、Metaの初代モデルと同様に、拡張現実（AR）ディスプレイは搭載されないとクオ氏は述べています。しかし、Metaは年内にもARディスプレイを搭載した次世代のRay-Banスマートグラスの発売を予定しており、Appleは大きく後れを取ることになります。

Metaの「Ray-Banスマートグラス」は、2023年9月に米国で299ドルから発売されました。12メガピクセルのカメラ、1080pの動画撮影、デュアルスピーカー、5つのマイク、右アームのタッチパッドなどを備えています。充電ケース併用で最大36時間の使用が可能。2024年2月までに200万ペア以上が販売され、成長中のデバイスカテゴリーで一定の成功を収めています。

現在、Appleが提供する唯一の頭部装着型デバイスは、3,499ドル（約54万円）からと高価な「Vision Pro」ですが、2024年2月の発売以来、販売台数は多く見積もっても50万～70万台にとどまっていると推計されています。一方、クオ氏はAppleのスマートグラスがはるかに成功し、2027年には300万～500万台以上の出荷が見込まれるとしています。

しかし、2027年という時期はまだ先であり、この分野における競合他社ははるかに速いペースで革新を進めている点が課題となるでしょう。