WWDC 2025：Apple、重要機能の発表を見送りか – 未完成機能の遅延回避を優先

米Appleが毎年開催する開発者会議「WWDC 2025」において、例年とは異なる情報公開の方針を取ったことが、米ブルームバーグの著名記者マーク・ガーマン氏のレポートで明らかになりました。通常、イベントで大量の情報を一挙に解禁するAppleですが、今回は少なくとも二つの重要なiOS機能の発表が見送られたと報じられています。

ガーマン氏によると、未発表となったのは、かねてから期待されていた「AirPodsによるリアルタイム翻訳機能」と、「ホテルやジムなどのWi-Fiネットワークのログイン情報をデバイス間で同期する機能」です。AirPods翻訳機能は、iPhoneやApple Watch向けには既に発表されましたが、AirPodsでの利用には言及がありませんでした。

これらの機能が発表されなかった背景には、経営陣レベルで意図的な判断があったとガーマン氏は指摘します。その理由は、未完成の機能を発表し、後に大幅な遅延や未実装となる事態を避けるためとのことです。

特に、2024年のWWDCで発表されながら、大幅な遅延や未実装となっている「Siriのコンテキスト認識機能」のような前例を繰り返したくないという意図があるとみられます。実際、このSiri機能はiPhone 16の広告に登場しながらも、いまだに登場せず、iPhone 17の発売後になる可能性が指摘されています。

Appleが既存のソフトウェアアップデートに関して、これほどまでに情報に慎重な姿勢を見せるのは異例です。しかし、この方針により、今後のiOS 26のベータ版やマイナーアップデート（26.1、26.2など）で、まだ発表されていない「サプライズ機能」が次々と登場する可能性も指摘されており、今後の動向が注目されます。