Apple、SiriのAI機能強化へ外部提携を模索か OpenAIやAnthropicと協議報道

Appleが音声アシスタント「Siri」のAI機能強化に向け、外部の大規模言語モデル（LLM）企業との提携を検討していることが明らかになりました。Bloombergの報道によると、ChatGPT開発元のOpenAIや、Claude開発元のAnthropicとの間で協議が進められています。

AppleはSiriの基盤として第三者製LLMを活用する可能性を探っており、両社はAppleのPrivate Cloud Computeサーバーで動作するモデルの開発とテストを進めています。現時点ではApple自身のLLM採用を断念する最終決定には至っていませんが、テストの結果、AnthropicのAIモデルがSiriに最も適していると判断されている模様です。

しかし、Anthropicが年間数十億ドル規模の利用料を要求しているため、AppleはOpenAIなど他社との提携も引き続き検討していると伝えられています。

AppleはかねてよりSiri向けのLLMを自社開発していますが、AI分野での苦戦が指摘されてきました。今年6月のWWDCでは、新たなSiriの機能が発表され、iPhone 16モデルでの搭載が示唆されましたが、実際には技術開発が間に合わなかったとされています。

今年3月には、「Apple Intelligence Siri」機能の2026年への延期を発表し、顧客からの不満や複数の訴訟を招く事態となりました。これらの機能は、iOS 26のアップデートで提供される予定です。

外部企業との提携は、Appleが自社でのAIモデル開発を進める間、顧客が期待する最先端のAI機能を提供するための「つなぎ」の役割を果たすとみられています。LLM版Siriは、iOS 26で導入される新機能に続く形で、2026年秋のiOS 27での登場が計画されています。

なお、AppleはすでにOpenAIと提携しており、iOS 18ではSiriがChatGPTにリクエストを転送し、より詳細な回答を得る機能が提供されています。