Appleは、ブラッド・ピット主演のレーシング映画「F1: The Movie」の公開にあたり、iPhoneアプリを通じて大規模な宣伝活動を展開しています。

同社は、App Store、Apple Wallet、Apple Sports、Apple Podcasts、iTunes Store、Apple TVアプリなど、少なくとも6つのiPhoneアプリで同作の広告を配信しました。

しかし、この積極的な宣伝手法は、一部のiPhoneユーザーから不満の声を引き起こしています。特に批判の的となっているのは、Apple Walletアプリを通じた割引チケットの通知と、Apple Sportsアプリ内での広告表示です。

Daring Fireballのジョン・グルーバー氏が指摘するように、ユーザーが物理的な財布の中身を移行させているWalletアプリが、許可なく広告ツールとして使われたことに反発があります。また、Apple Sportsアプリは、シンプルさを追求し「スポーツファンが求めるものを提供する」と謳われていたにもかかわらず、さらなる広告が挿入されたことで、ユーザーは戸惑いを隠せません。

映画「F1: The Movie」は、初期の興行収入と好意的なレビューから、今夏のブロックバスターとなる可能性を秘めており、Appleにとって史上最も成功する作品となる見込みです。

ヒット作を手にしたAppleですが、顧客への映画の宣伝方法が「一線を超えた」との見方も出ており、このような過剰な広告手法が今後の常態とならないよう、懸念の声が上がっています。