Apple、AI競争劣勢挽回へ巨額買収検討か Perplexity AIに熱視線

AppleがAI分野での出遅れを取り戻すため、高度なAI検索エンジンを手掛けるスタートアップ企業Perplexity AIの買収を真剣に検討していることが明らかになりました。専門家の間では、Appleが「Apple Intelligence」の提供が遅れたことや、音声アシスタントSiriの機能不足から、AI競争で劣勢に立たされていると指摘されており、抜本的な対策を模索していました。

情報筋によれば、AppleはPerplexity AIの買収により、同社が持つ高度なAI技術や専門知識を迅速に取り込み、AI開発における課題を一気に解消したい考えです。Perplexity AIは、ユーザーの文脈を理解し、複数の質問が連続しても意図を読み取って回答できるAI検索エンジンを運営しています。これは、Appleが将来のiPhone機能として宣伝しながらも、Siriではまだ実現できていない機能であり、Siriが外部のChatGPTに頼らずに自社技術で対応したいとされている領域です。

米ブルームバーグの著名記者マーク・ガーマン氏の報道によると、Apple社内では既に買収に向けた議論が進行しており、M&A責任者のエイドリアン・ペリカ氏が、SiriやApple Mapsなどを統括する上級副社長のエディー・キュー氏やAIチームの幹部と協議したと伝えられています。ただし、これらの議論はまだ初期段階にあり、最終的な提案に至らない可能性も示唆されています。一方で、Perplexity AI側は、Appleからの接触があった事実を否定する声明を発表しています。

ガーマン氏の最新ニュースレターでは、Perplexity AIの評価額が最近140億ドルに達したと分析されており、これはAppleが過去に実施した買収で最大だった2014年のBeats買収（30億ドル）を大幅に上回る規模となります。これまで大規模な買収には慎重だったAppleが、これほどの巨額な投資を検討していることは、同社がAI分野の現状に対し抱いている強い危機感の表れと見られています。

長らくAI分野で苦戦を強いられてきたAppleにとって、この大型買収が実現すれば、同社のAI戦略における大きな転換点となり、今後のAI競争の行方を大きく左右する可能性を秘めています。