Appleは、iPhoneの「シネマティックモード」による動画撮影機能を、純正のカメラアプリ以外でも利用可能にすると発表しました。
今月初めに開催された開発者向け会議WWDC 2025で、Appleは新たなAPIを導入。これにより、KinoやFilmic Proといったサードパーティ製カメラアプリの開発者が、自社アプリでシネマティックモードの動画撮影機能を提供できるようになります。開発者の裁量で実装の可否を選択できます。
シネマティックモードはiOS 15で導入され、iPhone 13以降の全モデルで利用可能です。ハリウッド映画にインスパイアされたこの機能は、被写界深度の浅い（背景がぼける）動画撮影や、被写体間の自動的な焦点移動を可能にします。
このモードは「ラックフォーカス」と呼ばれる技術を使用し、被写体に焦点を固定して背景をぼかすことで、深度のある映像を実現します。カメラを動かして新しい被写体が中心に来たり、新たな被写体が画面に入ってきたりすると、シネマティックモードは自動的に焦点をその新しい被写体に切り替え、背景をぼかします。
これまで、iOS 17以降はシネマティックモードで撮影された動画の再生や編集はサードパーティ製アプリでも可能でしたが、撮影自体は純正カメラアプリで行う必要がありました。今回の変更により、App Store上のカメラアプリは、開発者の意向に応じて録画から編集まで一貫したシネマティックモード体験を提供できるようになります。
