AppleのiPhone「Wallet」アプリに運転免許証や州IDを追加できる機能が、米国の一部州で利用可能になっています。これにより、特定の空港や店舗、アプリで、便利かつ非接触で身分や年齢を証明できるようになりました。

この機能は2021年に発表されましたが、その展開は非常に緩やかで、現時点ではアリゾナ、メリーランド、カリフォルニアなど米国内の9つの州とプエルトリコのみで提供されています。Appleは先週開催されたWWDC 2025の基調講演で、今後さらに多くの州で導入される方針を改めて示しましたが、具体的な時期については言及していません。

現在、デジタル身分証はボルチモア・ワシントン国際空港（BWI）やデンバー国際空港（DEN）、ロサンゼルス国際空港（LAX）など、全米各地の主要な空港内にある一部のTSA（運輸保安庁）チェックポイントで利用できます。また、一部の店舗や施設でも年齢・身分証明として利用可能ですが、具体的な場所のリストは公開されていません。

なお、今年秋にリリースされるiOS 26では、米国パスポートに基づいた新たな「デジタルID」が導入される予定です。これは国内旅行時に一部のTSAチェックポイントでの身分確認に利用できますが、物理的なパスポートの代替となるものではなく、国際旅行や国境通過には利用できません。