WWDC 2026で発表されたiOS 26の初回開発者向けベータ版が公開され、iPhoneのOSに数々の改良が加えられました。iMessageのカスタマイズオプション拡充、電話のリアルタイム翻訳機能、そして新しいLiquid Glassインターフェースなどが注目を集めていますが、iOS 26は開発者がアプリの性能を最大限に引き出すための新技術も多数搭載しています。

この秋に一般公開されるiOS 26で、アプリの可能性がどのように広がるのか、主な新機能をご紹介します。

 Walletアプリが航空券機能を大幅強化

Walletアプリは航空券表示が刷新され、イベントの詳細情報がさらに表示可能になりました。特に航空会社向けの新APIにより、顧客の運賃に含まれるサービス詳細やアップグレードオプションをWalletアプリ内で直接表示・購入できるようになります。搭乗券には優先搭乗や預け入れ荷物の許容量などが表示され、ワンタップでアップグレードも可能です。さらに、ユーザーの許可があれば、チェックインと同時にWalletアプリに搭乗券を自動追加でき、リアルタイムのフライト追跡情報も提供され、友人や家族との共有も容易になります。

 ゲーマー待望の機能強化

iOS 26では、ゲームのパフォーマンスと体験を向上させる新技術が導入されます。これまで各ゲームが独自に実装していた複雑なタッチコントロールに対し、Appleがボタン、サムスティック、Dパッドなどの標準タッチコントロールを提供。これにより、開発者の実装が容易になり、プレイヤーは一貫した、より反応の良い操作感を体験できます。また、プリインストールされる新「Games」アプリを通じて、開発者は独自のチャレンジやアクティビティを実装し、友達を招待して一緒にプレイできるようになります。さらに、グラフィック性能はMetal 4により、Appleシリコンデバイスでの次世代ゲーム体験を実現します。

 アプリからのアラーム設定が可能に

ついに、開発者はアプリ内でiPhone標準アラームのようなフルスクリーンアラームを実装できるようになります。これにより、例えばレシピアプリが料理のタイマーを直接設定したり、ToDoアプリが重要なタスクのリマインダーを画面全体に表示したりすることが可能になります。開発者は独自のアラームインターフェースをデザインし、カウントダウン、スヌーズ機能、ロック画面でのライブアクティビティなども設定できます。

 パスワード不要のパスキーが進化

Appleはパスワードに代わる認証方法「パスキー」の普及を推進しており、iOS 26ではその導入がさらに容易になります。iPhoneやiPadアプリで、ワンタップで新しいパスキーアカウントを作成できるようになり、氏名やメールアドレスなどの個人情報も自動入力されるため、長いサインアップフォームの手間が省けます。パスキーはFace IDまたはTouch IDで認証され、すべてのAppleデバイス間でiCloudを通じて安全に同期されます。

 バックグラウンド処理の制限を緩和

バッテリーやハードウェアリソース節約のため、iOSはこれまでバックグラウンドでのアプリ活動を制限していましたが、iOS 26では新しいAPIによりこの制約が緩和されます。これにより、ファイルアップロードや動画エクスポートのような時間のかかるタスクをバックグラウンドで実行しながら、ユーザーは他のアプリを使用できるようになります。iPad版Final Cutで動画をエクスポート中に他のアプリを使ったり、Google Photosに写真をアップロードしながら別の作業をするといったことが、アプリのアップデートにより可能になります。

これらの新機能は、アプリがiOS 26の新技術を活用するために各々アップデートされる必要があります。iOS 26の一般公開は9月頃の見込みで、それまでは開発者ベータ版、7月にはパブリックベータ版が提供される予定です。対応デバイスはiPhone 11以降、およびiPad 第8世代以降となります。