Apple、Siriのデモは「Vaporgate」か？ 開発者間で疑問の声

AppleがWWDC 24で発表したiOS 18向けSiriの機能強化について、「Vaporgate（ベーパーゲート）」疑惑が浮上している。一部の開発者の間で、発表された機能が実際に動作するプロトタイプを過去に見たことがないという声が出ているためだ。

発端は、John Gruber氏が「Siri, when is my mom’s flight landing?（Siri、母の飛行機は何時に着陸するの？）」というデモ機能について、Appleのソフトウェアエンジニアリンググループに確認したところ、誰もそのような内部ビルドを見たことがないと述べたこと。

これは、Appleが従来行ってきた、実際に動作する技術のみをデモするという姿勢とは異なる。背景には、AI分野でチャットボットの開発競争が激化する中、Appleが投資家や業界からの批判に影響され、未完成の技術を披露してしまった可能性があると指摘されている。

Michael Tsai氏は、AppleがAI戦略について「チャットボットがないから遅れていると言われている」という誤った前提で議論していると批判。ユーザーが求めているのはチャットボットではなく、デバイスをより良くするためのAI活用であると述べている。

今回の騒動は、AIブームに乗ろうとする企業が、ユーザーのニーズよりも投資家や業界の思惑に振り回されている状況を浮き彫りにしていると言える。