WhatsApp、Appleの英国政府とのデータプライバシーを巡る法廷闘争を支援へ

WhatsAppの責任者であるウィル・キャスカート氏はBBCに対し、
ユーザーデータのプライバシーを巡りAppleが英国政府と争っている法廷闘争を支援する計画を明らかにした。

この問題は、他国政府による暗号化された通信へのアクセス要求を助長する「危険な前例となり得る」とWhatsAppは警告している。

Appleは今年初め、世界中の暗号化されたiCloudデータへのバックドアアクセスを要求する秘密の政府通知を受け、法的措置を開始。
英国は捜査権限法を利用し、ユーザーの写真、メモ、メッセージ、デバイスのバックアップを暗号化するAppleの高度なデータ保護機能を妥協させようとした。

Appleはこれに従う代わりに、2月に英国のユーザーから暗号化機能を完全に削除した。

キャスカート氏は「WhatsAppは、サービスの暗号化を弱体化させようとする法律や政府の要請に異議を唱える」と述べ、ユーザーの「オンラインでのプライベートな会話の権利」を守り続けると誓った。

この暗号化を巡る論争は米国の政治家からも批判を浴びており、一部は「米国のサイバーセキュリティに対する危険な攻撃」と呼んでいる。
米国国家情報長官のトゥルシー・ギャバード氏は、英国の要求を米国市民のプライバシーに対する「著しい侵害」と表現した。

英国の裁判所は、Appleの法的異議申し立ての詳細を秘密にするという政府の試みを拒否。
裁判官は、公聴会を完全に非公開で行うことは「本当に異例のことだ」と判断した。

内務省は、政府の「最優先事項」は人々の安全を守りながらプライバシーを保護することであると主張し、自らの立場を擁護している。
当局は、これらの権限がテロや児童虐待を含む重大な犯罪の捜査に役立つと主張している。

Appleは、バックドアを作成すると、すべてのユーザーのセキュリティが必然的に損なわれ、悪意のある攻撃者に対して脆弱になると主張している。