米控訴裁判所、AppleのApp Store規則変更停止の緊急動議を却下

米第9巡回区控訴裁判所は、Appleに対し、App Storeにおける反誘導規則の変更を一時停止するよう求めた緊急動議を却下した。

この規則は、開発者がApp Store外での購入オプションを顧客に案内することを許可するもの。

これにより、Epic Games、Spotify、Patreonなどの企業は、App Store外のウェブ購入オプションへの誘導を継続でき、Appleはこれらのウェブ購入に対する手数料を徴収できなくなる。

Appleは、外部購入リンクをサポートするためにApp Store規則を更新した後、控訴裁判所に緊急動議を提出し、完全な上訴を行うまで、新規則の実施を保留することを求めていた。

裁判所は、Appleの上訴が成功する可能性が高く、規則の一時停止がなければ回復不能な損害を被ることを証明する必要があったが、裁判所は規則の一時停止が適切であるとは判断しなかった。

Appleは、元の命令は「異常」であり、知的財産を含むAppleの製品やサービスへの「無料アクセスを譲渡」することを強制していると主張。

外部購入リンクに対する手数料を徴収し、リンクのデザインを管理できるべきだと主張していた。

Appleは、App Store規則を現状のまま維持すると、年間数億ドルから数十億ドルの損失が発生すると主張している。

App Storeの変更は、2020年に始まったApple対Epic Gamesの訴訟の結果として実施されたもの。

当初、裁判官はAppleに対し、App Store規則を調整し、開発者がアプリ内購入ではなくウェブ購入オプションを顧客に案内できるようにすることを命じた。

Appleは数年にわたる上訴プロセスの後、これに従ったものの、ウェブ購入オプションを選択した開発者には12～27%の手数料を課し、リンクのスタイルに関する厳格な規則を実施した。

Epic GamesはAppleの実施に抗議し、裁判官はEpicの訴えを支持。

Appleは直ちにApp Store規則を変更するよう命じられた。

現在、Appleは消費者がアプリ外で行う購入に対して手数料を徴収したり、開発者がウェブ購入オプションへのボタンやリンクに使用する言語やデザインを制限したりすることは許可されていない。