Apple、WWDC 2025でAIの基礎に注力か　大規模言語モデル開発は進むも発表は先送り？

Appleは、来週開催されるWWDC 2025で、AI関連の発表を基礎的な部分に絞り込む可能性が高い。
昨年発表された「Apple Intelligence」が期待された性能を発揮できていない現状を踏まえ、まずは足元を固める戦略と見られる。

Bloombergの報道によれば、Appleは「Apple Intelligence」で使用されているものよりも遥かに高性能な大規模言語モデル（LLM）を開発している。
これらのLLMは、70億、330億、そして1500億のパラメータを持つモデルが含まれており、社内では既に活発なテストが行われているという。

特に1500億パラメータのモデルは、クラウド上で動作し、内部テストでは最新のChatGPTの品質に匹敵する性能を示しているとのこと。
Appleの従業員は、これらのモデルを搭載したチャットボットを社内ツール「Playground」でテストし、ChatGPTなどの競合プラットフォームと比較している。

しかし、発表時期については慎重な姿勢が取られている。
理由として、LLMの出力に頻繁に見られる「ハルシネーション（誤った情報を事実として提示する現象）」の存在が挙げられている。
Appleの幹部は、この問題に対する許容度が低いと見られ、誤情報のリスクを考慮して発表を控えている可能性がある。

社内では、LLM搭載チャットボットの発表時期について意見の相違もある模様。
Appleは、新製品を発表して失敗するリスクと、何も発表せずに取り残されるリスクの間で難しい選択を迫られている。
WWDC 2025でどのような決断が下されるか注目される。