Apple、ChatGPT対抗モデル開発を進めるもSiriの未来は不透明

Appleが、より会話能力と高度な推論能力を備えたSiriの大幅な改善に向けて、大規模言語モデル（LLM）を活用する計画の詳細が明らかになった。同時に、ChatGPTの競合となるモデルの開発も進められている。

ブルームバーグのマーク・ガーマン氏によると、Appleは社内で、複雑さの異なる様々なモデルをテストしている。30億、70億、330億、そして1500億のパラメータを持つバージョンが「現在、活発に使用されている」という。

1500億パラメータのモデルは、ChatGPTと同様にクラウドに依存しており、そのサイズは、基盤モデルが30億パラメータであるオンデバイスのApple Intelligenceよりもはるかに強力である。

内部テストツール「Playground」を用いて、Appleはこのモデルのベンチマークを実施。その結果、「最近のChatGPTのロールアウトの品質に匹敵する」ことが示唆された。しかし、依然としてハルシネーション（もっともらしい偽情報を生成すること）の傾向に関する懸念があるという。また、経営幹部間には「哲学的な違い」が残っているが、具体的な詳細は明らかにされていない。

以前の報道では、AppleはチューリッヒにAIオフィスを持ち、従業員がSiriの全く新しいソフトウェアアーキテクチャに取り組んでいることが明らかになっている。このモデルは、最終的には、様々な機能が非効率に積み重ねられた現在のSiriの「ハイブリッド」アーキテクチャに取って代わると予想される。

ガーマン氏は、Appleが社内で「Knowledge」と呼ばれるチャットボットモデルもテストしていると報告している。このモデルは、インターネットにアクセスして複数のソースからデータを収集・合成することができる。これはSiriの新たな機能になると考えられるが、プロジェクトは最近Siriの担当から外されたロビー・ウォーカー氏が主導しているという。ガーマン氏によれば、プロジェクトに詳しい従業員は、このチャットボットプロジェクトもSiri刷新の遅延と同じ問題に悩まされていると語っている。

Appleがこれらの技術をいつ実装するかはまだ不明であり、同社は、昨年のWWDCで発表したApple Intelligenceの機能がまだローンチされていないことによる反発を受け、今月のWWDCで今後の計画を発表することはなさそうだ。

その一方で、GoogleのGeminiがiOS 26にSiriにおけるChatGPTの代替として追加される見込みであり、Appleは、SiriとSafari検索の両方で、PerplexityのAIサービスを別のオプションとして追加することについても協議していると伝えられている。