クアルコム委託の調査報告、iPhone 16eの通信速度はAndroidに劣るとの結果

クアルコムが委託した調査報告により、クアルコム製モデムを搭載したAndroid端末が、Apple独自のC1モデムを搭載したiPhone 16eよりも通信速度で優れていることが示された。しかし、調査範囲の限定性や、クアルコムからの委託である点から、この結果を鵜呑みにはできない。

調査はCellular Insightsによって行われ、Android端末のダウンロード速度はiPhone 16eより約35％、アップロード速度は81％〜91％速かったという。

報告書では、テストされたAndroid端末の機種名が明らかにされておらず、テスト場所もニューヨーク市クイーンズ区アストリア地区の3箇所のみに限られている。また、使用されたネットワークはT-MobileのSA 5Gのみである。

より広範なテストとして、Ooklaが3月に発表した報告書では、全米のユーザーデータを使用し、大手キャリア3社でのiPhone 16（クアルコム製モデム搭載）とiPhone 16eの速度差を比較した結果、T-Mobileのネットワークで最も差が大きかった。

今回のクアルコム委託の調査は、テスト対象機種や場所の選定などから、結果を意図的に有利に見せている可能性が指摘されている。

AppleのC1モデムは、クアルコムの最高性能モデムを上回ることを目指したものではなく、安定性や電力効率に優れたミドルレンジ製品と同等の性能を提供することを目的としている。Appleは、将来のC2、C3モデムで性能向上を図り、2026年または2027年にはクアルコムの最高性能モデムを凌駕することを目指していると見られる。