Apple、EUのデジタル市場法違反で再度の改善命令　6月22日までに遵守できなければ制裁金

欧州委員会は、Appleに対し、App StoreがEUのデジタル市場法（DMA）に完全準拠するよう6月22日までの猶予を与えた。4月に課された5億ユーロの制裁金に続き、再度の違反が確認されれば、さらなる制裁金が科される可能性がある。

欧州委員会は67ページに及ぶ詳細な裁定を公表し、AppleがDMAの「アンチ・ステアリング」条項に違反していると指摘。Appleの事業条件が、開発者がApp Store外での代替決済方法をユーザーに告知し、外部プラットフォームを通じて取引を促進する能力を制限していると結論付けた。

DMAは、プラットフォーム事業者が市場での優位な立場を利用して、開発者の活動を制限することを禁じている。Appleは、アプリ内に外部サイトへのリンクを設けることでDMAの要件を満たしていると主張していたが、欧州委員会は、Appleの導入した仕組みは、開発者が代替決済システムを効果的に宣伝することを妨げ、ユーザーの誘導を阻害していると判断した。

Appleは、この決定を不服としており、「欧州のユーザーのプライバシーとセキュリティを脅かし、当社の技術を無償で提供することを強いるものだ」と反論している。Appleは、制裁金の支払いを7月23日までに行う必要があり、それ以降は利息が発生する。