OpenAI、ジョニー・アイブ氏のAIハードウェア企業を買収　新たなデバイス開発へ

OpenAIが、元Appleのチーフデザインオフィサーであるジョニー・アイブ氏が共同設立したAIハードウェアスタートアップ、ioを買収したと発表した。

アイブ氏はOpenAIのサム・アルトマンCEOと2年間、ioを通じてAIデバイスの開発に取り組んでおり、今回の買収で両者はより密接な連携を図る。

アルトマンCEOは、アイブ氏から試作品を受け取ったことを明かし、「これまで見た中で最もクールな技術」と絶賛した。

アイブ氏は、既存の技術製品が時代遅れであるとし、新たなデバイスを通じて「コンピューターの使い方を完全に再構築」したいと語った。

ioには、アイブ氏と共にAppleでデザインを率いたタン・タン氏やスコット・キャノン氏、エヴァンス・ハンキー氏らも参加しており、ハンキー氏、タン氏、キャノン氏はOpenAIに加わる予定。

デザイン面では、アイブ氏が率いるデザイン会社LoveFromがOpenAIのデザイン全体を統括する。

両社は4月から買収または提携について協議を重ねてきた。OpenAIはAIの専門知識を提供し、ioはエンジニアリング、LoveFromはデザインを担当する。

具体的なデバイスに関する詳細は少ないものの、画面のないスマートフォンに似た音声ベースのAIデバイスが開発されているとみられる。

アルトマンCEOは、「人々をより良くする次世代の技術の瀬戸際にいる」と述べ、デバイス開発への意欲を示した。

今回の買収により、OpenAIはAIハードウェア市場でAppleと直接競合することになる。

最初のデバイスは2026年に登場する見込み。

Bloombergによると、買収額は65億ドル。規制当局の承認を経て、今夏に完了する見込み。