次期WWDCでSiriは蚊帳の外？ AppleのAI戦略に疑問の声

Bloombergの報道によると、来月のWWDC（世界開発者会議）でSiriに関する発表は控えめになる見込み。

AppleのAI戦略を統括する幹部のジョン・ジャンアンドレア氏が就任して7年が経過したが、かつての楽観的な見方は薄れ、AppleのAIは他社に後れを取っているとの指摘も出ている。

しかし、AIの定義が変化し、現在ではユーザー向けのチャットボットが主流となっている点が背景にある。Appleは、スマートフォン操作の向上や写真加工など、AIの良質な部分に注力してきた。

顧客が本当に求めているのは、記憶保持や一貫性のある動作を実現するSiriであり、小説の執筆やRedditのジョークから生まれたレシピの提案ではない。

にもかかわらず、Appleはチャットボットの開発を急いでおり、社内テストではChatGPTの最新バージョンに匹敵する水準に達しているという。しかし、ジャンアンドレア氏は、顧客はChatGPTのようなツールを求めておらず、むしろ無効化を望んでいると述べている。

AppleがAI分野で後れを取っているというよりも、投資家や専門家からのプレッシャーに屈し、顧客が本当に求めるものを見失っている可能性が指摘されている。

かつてAppleは、低品質なネットブック市場に参入せず、高品質なMacBook Airの開発に注力することで成功を収めた。今回も同様に、AIブームに踊らされず、顧客のニーズに真摯に向き合うべきではないかとの意見も出ている。