Apple、AI分野で遅れを取り挽回へ Siri刷新と外部連携を強化

Bloombergの報道によると、AppleはAI分野での遅れを取り戻すため、大規模な組織改革と技術開発を加速させている。

特にSiriについては、大規模言語モデル（LLM）を活用した完全刷新を計画。
現在、複数のモデルを組み合わせたハイブリッド型であるSiriを、単一の高性能エンジンで全てを処理できる「オールLLM」版へと進化させる。
チューリッヒのAI研究拠点で開発が進められており、会話能力や情報理解力、アクション実行能力が大幅に向上すると期待される。

しかし、この新しいSiriの登場はまだ先となる見込み。
来月のWWDC（世界開発者会議）での発表は見送られ、iOS 19への搭載も難しいとされている。

WWDCでは、Siriよりもバッテリー管理や健康コーチといった他のAI関連機能が優先的に紹介される模様だ。

新しいSiriが登場するまでの間、Appleは代替手段として、ChatGPTなどの外部AIツールとの連携を強化する。
Siriが対応できないリクエストをChatGPTに転送したり、Visual Intelligence機能でChatGPTを活用したりするほか、iOS 19ではGoogleのGeminiも利用可能になる予定だ。
さらに、Perplexityとも連携について初期段階の協議を進めており、Siriの代替手段やSafariの検索プロバイダーとしての採用も検討されている。

AppleはSiriの評判低下を認識しており、マーケティングにおいては「Apple Intelligence」ブランド全体からSiriを切り離す方針だ。
また、新機能の発表から提供開始までの期間を短縮し、過去の失態を繰り返さないよう努めるとしている。

Appleは6月9日にWWDCで基調講演を行い、今後1年間に登場するApple Intelligence機能を発表する予定だ。