米政府、AppleとAlibabaのAI提携を調査 中国軍へのデータ流出を懸念

米政府が、Appleが中国市場でiPhoneにAI機能を導入するために、中国のIT大手Alibabaと提携したことを調査していることが明らかになった。ニューヨーク・タイムズが報じた。

関係者によると、今回の提携が中国のAIプロバイダーによるデータ収集を助長し、AIモデルの改善を通じて中国軍を利する可能性があると、ワシントンの当局者は懸念している。国防総省と情報機関の当局者は、Alibabaと中国共産党、人民解放軍との関係を調査しているという。

ラジャ・クリシュナムーティ下院議員は、この合意の透明性の欠如を「極めて憂慮すべき」と述べ、Alibabaが中国政府と関係があるとされる中で、Appleが同社と提携することを選択した理由を疑問視している。

ニューヨーク・タイムズの情報筋によれば、米政府はAlibabaを含む中国のAI企業を、米企業との取引を禁止するリストに掲載すべきかどうかを議論している。

AppleはAI提携を公式に認めていないが、Alibabaの会長は2月にそれを認めている。この合意は、Appleがスマートフォン市場シェアの低下が見られる中国市場に、自社のAI機能「Apple Intelligence」を導入しようとする中で行われた。