元Appleデザイン責任者、ジョニー・アイブ氏がデザイン哲学やApple時代を語る

元Appleの最高デザイン責任者、ジョニー・アイブ氏がStripe Sessions 2025でインタビューに応じ、自身のデザイン哲学やApple在籍時の経験、現在のLoveFromでの活動について語った。

同氏は、Apple製品との最初の出会いとなったMacintoshを「心の自転車」と表現し、その開発者の価値観に感銘を受けたと述懐。1992年にAppleに入社後、iMac、iPod、iPhone、Apple Watchなど数々の象徴的な製品のデザインを主導した。

Appleのデザインチームの文化について、毎週金曜にチーム内で朝食を作る習慣や、メンバーの自宅で作業するなど、親睦を深めるための取り組みを紹介。こうした取り組みが、製品に込められた「思いやり」に繋がったと語った。製品パッケージのデザインを例に挙げ、細部へのこだわりがユーザーへの敬意を示すと強調した。

2019年に設立したデザイン集団LoveFromでは、Apple時代と同様の原則に基づきつつ、「人類を高める」という使命を掲げている。同氏は、現代のデザイナーや技術者に対し、製品が意図せぬ結果をもたらす可能性に注意を払い、責任を持つよう訴えた。また、技術革新の加速や現代のデバイスが社会に与える影響についても懸念を示し、「人間の喜び」が失われていると指摘した。