インターネット電話黎明期を支えたSkype、22年の歴史に幕

マイクロソフトは、かつて隆盛を誇ったインターネット通話・メッセージングサービス「Skype」を正式に終了した。22年の歴史に終止符を打った形だ。

Skypeは2011年にマイクロソフトが85億ドルで買収。ピーク時には月間アクティブユーザー数3億人を超え、国際電話を無料にするという画期的なサービスで一世を風靡した。

しかし近年、ZoomやWhatsApp、マイクロソフト自身のTeamsといった競合サービスの台頭により、アクティブユーザー数は2023年には約3600万人にまで減少。

一方、Teamsは現在、月間アクティブユーザー数3億2000万人に成長しており、マイクロソフトはSkypeの終了と同時に、TeamsにおけるAI機能の強化に注力する方針だ。Skypeの開発チームは、解雇されることなく、他のプロジェクトに再配置される。

SkypeはVoIP技術の普及に大きく貢献し、企業や個人のコミュニケーションを低コストでグローバルにつなげた。また、AIを活用したリアルタイム翻訳機能の初期テストとしても活用された。

しかし、頻繁なUI変更や信頼性の問題、企業向けの機能へのシフト、競合サービスへの対応の遅れなどが重なり、特にCOVID-19パンデミック下での需要に応えられず、衰退の一途を辿った。

Skypeのユーザーは5月5日までに、データや連絡先をTeamsに移行するか、他のサービスへの切り替えを求められた。Skypeは、VoIP技術の普及に貢献した功績を残しつつも、ブランド力だけでは停滞したプラットフォームを救えないという教訓を残した。