著名投資家バフェット氏、アップルCEOクック氏を異例の称賛

投資会社バークシャー・ハサウェイの年次株主総会で、ウォーレン・バフェットCEOが、アップルのティム・クックCEOを公に称賛した。

バフェット氏は、2016年初頭からバークシャーがアップル株を取得して以来、株価が680%急騰したことに触れ、「ティム・クックは、私が稼いだ金額よりもはるかに多くの金をバークシャーにもたらした」と述べ、やや照れくさそうに語った。

また、故スティーブ・ジョブズ氏がアップルを築き上げた功績を認めつつも、クック氏が同社の成功に貢献した点を強調。「スティーブ以外にアップルを創造できた者はいないが、ティム以外に彼のように発展させられた者もいない」と語った。

94歳のバフェット氏は、今年末までにCEOを退任する意向を発表しており、長年テクノロジー投資を敬遠していたにもかかわらず、アップルへの投資で巨額の富を築いた。2024年には、ETF（上場投資信託）を除けば、バフェット氏はアップルの最大の投資家だった時期もあった。

2024年時点で、バークシャーのアップル株は1740億ドルと評価され、これは数年かけて400億ドルで取得したものであった。しかし、過去1年間で同社はアップル株を売却しており、ピーク時に保有していた9億500万株の約70%を売却した。

クック氏が2011年にCEOに就任して以来、アップル株は目覚ましい成長を遂げ、株式分割調整後で15ドル以下から205ドルまで上昇。約14倍の増加により、アップルの時価総額は3兆ドルを超えた。

「オマハの賢人」として知られるバフェット氏は、副会長のグレッグ・アベル氏にCEOの座を譲ることを年次総会で発表した。

クック氏は総会後、自身のX（旧Twitter）で「ウォーレンのような人はこれまでいなかった。私を含め、数えきれないほどの人々が彼の知恵に感銘を受けている。彼を知ることができたのは、私の人生における素晴らしい特権の一つだ。そして、ウォーレンがグレッグという素晴らしい人物にバークシャーを託すことに疑いの余地はない」と投稿した。