米国の小売店で品薄の可能性、ペガトロン会長が警告

Appleの主要サプライヤーであるペガトロンの董事長、T.H. Tung氏は、トランプ政権時代から続く関税を巡る不確実性が、米国の小売店で深刻な品薄状態を引き起こす可能性があると警告した。

関税の適用状況が二転三転することで、米国の小売業者は混乱し、サプライチェーンの意思決定が滞っているという。

Tung氏はロイターに対し、「このままでは、米国の小売店の棚は、第三世界の国のように空っぽになるかもしれない」と懸念を表明した。

現在、米国への輸入品にはほぼ全てに10％の関税が課せられている。
一時的に関税が免除されたベトナム、インドネシア、インドなど、ペガトロンが製造拠点を置く国も含まれる。

こうした状況下で、米国への輸入業者は関税が撤廃されるかどうか不確実なため、出荷量を増やすことを躊躇しているという。

ペガトロンは、短期的な関税の変動に左右されることなく、長期的な製造計画を変更するつもりはないとしている。

一方で、Appleのティム・クックCEOは、関税がiPhoneの価格上昇につながることを政府に説明し、iPhoneやMacなどの電子機器は関税の対象から一時的に免除された。

しかし、トランプ前大統領はその後、「関税の免除はない」と発言しており、Appleを含むテクノロジー企業が別の関税区分に移行する可能性を示唆している。

Appleは既に、中国からの製造拠点の分散を進めており、インドでのiPhone製造を拡大し、2026年末までに米国向けデバイスの現地生産を開始する計画を進めている。