AppleのAI開発、チップ予算削減が遅延の一因か

米Appleが開発中のAI機能「Apple Intelligence」と「Siri」の強化において、2023年初頭のチップ予算を巡る社内対立が遅延の一因となった可能性が報じられた。

報道によると、AI部門責任者が開発用チップ増強を求めた際、当初CEOは承認したものの、CFOが予算を大幅に削減し、既存チップの効率化を優先するよう指示したという。

GPUリソース不足から、AppleのAIチームはGoogleやAmazonなどの外部プロバイダーから計算能力を調達せざるを得なくなった。当時のAppleのデータセンターには、5年以上前のGPUが約5万基しかなく、競合他社に大きく水をあけられていた。

また、Siriの担当者を巡り社内で権力闘争が発生。Siriの精度が社内テストで約3分の1の要求に対し不正確であることが判明し、機能の提供時期が遅れることになった。

Appleは今秋にも強化されたSiriをリリースする計画だが、一部幹部は遅延を懸念しておらず、競合他社もAIを完成させていないため、Appleにはまだ挽回の時間があると考えている。

遅延後、ソフトウェア責任者は幹部を再編し、AI部門責任者から新しいSiriの担当を外し、Vision Pro部門の責任者に再配置した。