米中関税合戦激化、Appleが米国向け高級製品を緊急空輸

ドナルド・トランプ前大統領による対中関税引き上げを受け、Appleは3,000ドル以上の高額製品を中心に、米国向け出荷を急遽空輸に切り替えるようサプライヤーに要請したことが明らかになった。

Dell、Microsoft、Lenovoといった大手も同様に、関税発効日の4月9日までに製品を届けようと奔走したと報じられている。

サプライヤーは部品不足や納期逼迫に直面し、対応に苦慮。
8日深夜までに通関を終える必要があったため、国際航空貨物担当者は「時間との戦い」と表現した。

背景には、米国が中国からの輸入品に対し、従来の関税に加え、追加で最大104%の関税を課すという状況がある。

Appleは長期的には、インドなど製造拠点の多様化を進めている。
米国市場向けiPhoneの調達先をインドにシフトする計画も浮上しており、今年中に約2,500万台をインドで生産、2025年には米国iPhone需要の約50%を賄う可能性があるという。

関税の影響を受け、Appleの株価は先週水曜日から約23%下落しており、投資家は同社の収益やグローバルサプライチェーンへの影響を懸念している。

ティム・クックCEOは、トランプ政権時代にはApple製品の関税免除を勝ち取ったが、今回はより困難な状況に直面しており、短期的な物流調整と長期的な政治的解決策を追求する二重戦略をとっているとみられる。