Apple Vision ProのMac仮想ディスプレイ機能拡張、実用性は？

AppleのVision Proは、その技術的な先進性で注目を集める一方、高価格や装着感といった課題も抱えている。最新のvisionOS 2.2では、Macの画面を仮想空間に表示する「Mac仮想ディスプレイ」機能が強化され、ワイド/ウルトラワイドモニターに対応した。これにより、Vision Proはより魅力的な生産性ツールとなるのだろうか。

従来のMac仮想ディスプレイは、表示領域が狭く、利便性に欠けていた。しかし、今回のアップデートにより、最大で10240×2880ピクセルのウルトラワイド表示が可能となり、複数のウィンドウを同時に表示できるようになった。キーボードやマウスによる操作性も良好で、物理的な入力デバイスを好むユーザーにも適している。

しかし、最大のネックは装着感だ。Vision Proは長時間使用すると疲労感が生じやすく、快適な作業環境とは言い難い。従来のマルチモニター環境と比較すると、空間コンピューティングはまだ自然な操作感には及ばず、長時間の作業には向かない。

Vision Proは優れた技術を搭載しているものの、快適性、価格、キラーアプリの不足が課題となっている。Appleは、軽量化や価格の引き下げに加え、より自然でシームレスな使用感を実現する必要がある。現時点では、一部の熱狂的なユーザー向けの製品にとどまっており、今後の進化に期待がかかる。