著名アナリスト、アップルの現状に警鐘 「Vistaのようなシステム的な実行力低下か」

著名なテクノロジーアナリスト、ベネディクト・エヴァンス氏が、アップルの最近のイノベーションと実行力についてブログ記事で疑問を呈した。

同氏は、同社の現状を、不具合やパフォーマンスの問題で批判されたマイクロソフトのWindows Vistaになぞらえ、「Vistaのようなシステム的な実行力低下に陥っているのではないか」と指摘している。

特に、Vision Proヘッドセットの完成度の低さや、WWDCで発表されたパーソナライズされたSiri機能の遅延を問題視。
Vision Proについては「コンセプトやデモに過ぎず、Appleはデモを発表する企業ではない」と批判し、販売台数や開発者の活動の低迷を指摘した。

Siriの遅延については、「デモを発表する際にはほぼ完成しているはずだが、今回は単なるモックアップだったのではないか」と述べ、2025年以降までリリースが遅れる可能性を示唆した。

エヴァンス氏は、アップルのソフトウェアリリースサイクルが以前は正確だったが、最近は遅延が増加している点を指摘。
その上で、これはシステム的な実行力低下の兆候ではないかと懸念を示している。

一方で、同氏は、アップルのイノベーションに対する批判は以前から存在しており、同社が過去に革新的な製品を生み出してきた実績も認めている。
しかし、現在のアップルが以前のような革新性を維持しているのか疑問を投げかけた。